住職レター 2017

 2017年 12月号
 昔の善教寺資料閲覧シリーズ第三弾です。前々号、前号で、ご巡教時の古い写真を見て頂きましたが、今号の写真、御手植え松の植樹シーンは、ご巡教のハイライトだったのではと思います。
 この御手植え松の前を通るたびに、亡くなった祖母は、ご門主がご巡教に来られた時を述懐しておりました。それだけ、祖母の心に刻まれた、尊い記憶だったのでしょう。
 お聴聞参りに来られる年配の方も、時折、この御手植え松を懐かしんで下さいます。昭和三十二年五月三十日の勝如上人(大谷光照本願寺第二十三代門主)が善教寺へご巡教に来られた時、皆さん、まだ若かった頃でしょう。
 今から約六十年前に御手植えされた松、今でも、こうして立派に、ご参拝者をお迎えして下さいます。
 これからも、この御手植え松を大切にして、先人の思いを次の世に伝えていけるよう尽力したいと、改めて思いました。
御手植えの松を植樹される御ご主
現在の御手植え松
2017年 11月号
 昔の善教寺資料閲覧シリーズ第二弾です。前号でのご巡教時の古い写真、法事が終わって年配の方にお見せすると、それはそれは大いに懐かしんで下さいました。瞬時にして、その時の記憶が甦られるようで、当時の話をたくさん聞かせて下さいました。と云う訳で、昭和三十二年五月三十日の勝如上人(大谷光照本願寺第二十三代門主)善教寺ご巡教写真シリーズその二です。
 遠くから歩いて来られるご門主をお迎えする時、ご門徒の皆さんのワクワクドキドキ感が伝わってきました。こんなに近くで、ご門主のお姿を拝めることが出来、当時の方々にとっては、この上も無い、喜びだったことでしょう。
 善教寺本堂で法話をされるお姿の凛々しい事、そして今は無き演台を見て懐かしい事、本山(本願寺)へお帰りになられるご門主とのお別れの辛い事、これらの古い写真は、いろんなことを語ってくれますね。
善教寺門前の沿道にて、ご門主をお迎え中
ご巡教のハイライト 記念法話

ご帰山されるご門主
2017年 10月号
 昔の善教寺資料を閲覧しておりましたら、昭和三十二年五月三十日の勝如上人(大谷光照本願寺第二十三代門主)ご巡教の写真を発見しました。
 昭和三十二年当時、本願寺の門主が、一般の寺院をご巡教されるという価値観は、どういったものであったでしょうか。戦後復興が落ち着いた頃、これから高度経済成長に向かう時、全てが明るく希望に満ち溢れていたのかもしれません。写真の中の皆さんは、とても素敵な顔でした。
 おそらく、ご巡教に来られた、勝如上人(大谷光照本願寺門主)の神々しい後光が差した雰囲気に、皆さん圧倒されたことでしょう。
 写真を見終り、当時と全く同じ本堂に座し瞑想して、ご巡教当時に思いを馳せてみました。
善教寺まえの沿道にて、門主をお迎え中
ご巡教、善教寺本堂にて、帰敬式をされる門主
ご門主(勝如上人)との集合写真
 2017年 9月号
 浄土真宗(本願寺派・大谷派など)と他宗派では、法要の呼び名が違う事が多くあります。なぜ?と言われたら、教義の違いです…としか、お答えしようがないのですが…。
 先日は、「お仏壇を新しくしたので開眼法要を勤めて欲しい」と依頼がありました。浄土真宗では、『開眼法要』とはいわず、『入仏慶讃法要』です。お墓を新しくされたら、「魂を入れて下さい」と依頼されますが、正式には、『建碑法要』です。お墓を撤去される時には、「魂を抜いて下さい」と依頼されますが、正式には、『遷仏法要』です。
 さてこの度、墓苑開眼法要ではなく、善教寺墓苑にて開山慶讃法要をお勤め致しました。盂蘭盆会法要の初日(八月七日)、昼席終了後、法要参拝された方々にもお参り頂き、讃仏偈を読経しました。
 墓苑内にある永代合葬墓、南無阿弥陀仏の六字名号は、親鸞聖人の御真筆です。『浄土と縁を結ぶ』をコンセプトにした善教寺墓苑、お参りされたら、親鸞聖人にもお遇い出来るかもしれませんよ。
2017年 8月号
 ようやく、善教寺墓苑(墓苑名:慈雲山浄縁)、『浄土と縁を結ぶ』をコンセプトに開山することが出来ました。夜にはアプローチライトが灯り、とっても素敵な墓苑となりますので、一度、ご覧になって下さいね。
 一番の目玉は、永代合葬墓。ご遺骨の納め方は、骨壺ごと納骨する様式と焼骨のみ納骨する様式に分けました。写真では分かり難いですが、小さく穴の開いている箇所は、焼骨のみ納骨するスペースです。残念ながら、この寺報発行日には、まだ完成しておらず、建碑工事途中の写真しか載せることが出来ませんが、きっと立派な永代合葬墓に仕上がると思います。お楽しみになさって下さいね。
永代合葬墓基礎部分
左にある穴の部分は焼骨のみ納骨するスペース
2017年 7月号
 寺報発行日(毎月二十五日)の前日、安居会法要を無事に勤め終えた今、この住職レターを書いております。
 その昔は、夏の法要といえば『泥落とし法要』と云われ、田植えが終わった七月の初め頃に勤めておりました。昨今では、田植えが終わると、泥落としと称して、温泉旅行に行かれたりされるようですが、今日は寺参りを優先して下さったのか、思っていた以上に参拝者が多かったです。
 さて『安居(あんご)』とは聞き慣れない言葉ですが、これは僧侶が一定期間一ヶ所に集まり、研鑚修養に励むことで、その由来は古代インド(仏教発祥の地)において、雨季に森などを徘徊して草木小蟲を害する事を防ぐために行われました。
 これから梅雨時期になると、草刈りや農作業に忙しい毎日かと思いますが、ちょっと手を休めて、ご自宅のお仏壇やお墓へお参りされる時間も大切になさって下さいね。
3枚とも 安居会法要
  2017年6月号
 親鸞聖人のご誕生日である五月二十一日、善教寺本堂にて「初参式」(仏教婦人会主催)を、お勤めいたしました。「初参式」とは、お子さまの誕生後、初めて仏さまの前で手を合わせ、お祝いする仏教行事です。

 

仏前にて、お子さまと共に仏さまに手を合わせ、生まれたことの意味を確かめます。親として生きる出発点であり、赤ちゃんによって与えられた尊い仏縁であります。

重誓偈の読経、初参式についての消息拝読(ご門主さまからのお手紙)、続いて下川仏教婦人会長の挨拶、石原門信徒総代より祝辞を頂きました。焼香をして、最後は仏教讃歌「小さきあこに」を合唱。

また来年、開催しますので、お楽しみに。


来賓祝辞される石原総代
 
  2017.5月号
  この寺報でも何度かお知らせしておりましたが、この度、『浄土と縁を結ぶ』をコンセプトに、善教寺墓苑(名称:慈雲山浄縁)を開山いたします。一番の特徴は、年間の管理費を収めて頂くことなく、お墓を永代にお守りすること。

 

ここ数年、『墓じまい(お墓を撤去し、近くの墓地や永代供養墓地に移転すること)』される方が多くなりました。今後の社会情勢や家族構成を考えますと、善教寺でお墓をお守りし、永代に供養することは責務であると思っております。

お墓について、これをご縁に、ご家族皆さまで、話し合ってみて頂けたらと思います。お骨は、どこに納骨して、誰がお墓を管理して供養していくのか?

一昔前は、お墓について考える必要はありませんでした。次の代(ご子息さまや継承者)が、適切に判断してこられたからであります。

善教寺墓苑は、五つのエリア(永代合葬墓エリア・和スタイル墓エリア・洋スタイル墓エリア・プレート墓エリア・ペット専用墓エリア)を設け、整然とした雰囲気で、若い世代の方も気楽にお参り出来る素敵な墓苑に致します。

ご希望のエリア、区画がございましたら、善教寺までお問い合わせ下さいね。

 
善教寺墓苑パンフレット
  2017年4月号
   「暑さ寒さも彼岸まで…」とは、よく言ったものです。本当に、春のお彼岸を迎えると気持ち良く、毎日がワクワクウキウキしますね。と同時に、そろそろ田植えの準備で忙しくなられる頃でしょうか。加えて、お庭や田んぼの畦道に草が生え、草刈りに追われるようになりますね。

 

このお彼岸中、法事に参勤し、続けてお墓へお参りすると、皆さん口々に、今後が心配だと言われます。今までは、敷地が広かった故に、夫婦墓をそれぞれ建碑し、家によっては約十基も並ぶ墓があったりします。この墓を今後も管理していくのは大変だろうな~と、他人事ながら、いつも心配をしてしまいます。

お墓の問題も心配ですが、ここ数年、葬式のあり方も大きく変わってきました。家族葬(近親者のみで執り行われる葬式)が増え、近所の方でさえも、その家の方が亡くなられた事実を知らなかった…と言われることもあります。通夜葬儀も、今ではほとんど、葬儀会館等で勤まることが多くなりました。

月忌参りの時、ある家の九十歳を超えたおばあちゃんが、私に一言、「私の葬式は家でしてもらいたいんよ…」と。

お墓のあり方、葬儀のあり方、今一度、ご家族皆さまで、よくよく話し合ってみて下さいね。

 
  2017年3月号
  三月三十日に、善教寺から団体参拝にて、本願寺伝灯奉告法要へ参ります。親鸞聖人や蓮如上人の大遠忌法要と違い、伝灯奉告法要は、あまり馴染みがありませんよね。
浄土真宗のみ教えである法灯、すなわち親鸞聖人がひらかれた本願名号の真実の教えである念仏の法が、今に伝えられたこと。そして今後、お念仏のみ教えが広く伝わることを願っての、法要であります。私は、平成七年、善教寺の前住職である父が亡くなり、この善教寺を継職しました。一五一三年(室町時代中期)に、西空が開基し、私でちょうど第二十代住職に至ります。継職した当時、この職責の重さに、自分自身がつぶされそうなプレッシャーを感じておりました。本願寺第二十五代となられた専如ご門主は、私が感じたプレッシャーの、何倍も重圧があることでしょう。逆に、ご達観なされて、プレッシャーはあまりお感じになられないのかもしれませんね。一緒に団体参拝へ行く皆さま、一泊二日で楽しく本願寺へお参りしてきましょう。
 
第25代専如ご門主
 2017年2月号
  善教寺墓苑(仮名)、かなり形が見えてきました。順調に造成工事が進んでおります。

 

『浄土と縁を結ぶ』をコンセプトに、美しい庭園をイメージした墓苑にしようと思っています。一番の特徴は、善教寺が存続する限り、永代に渡りお護りすること。

ここ最近、『墓じまい(お墓を撤去し、近くの墓地や永代供養墓地に移転すること)』が多くなりました。お墓が遠くてお参り出来ない、不便な所にあるので行けない、継承者がいないので無縁墓になるのが心配、子どもに迷惑をかけたくない…、理由は様々です。

時々、こんな笑い話を聞きます。「お参り出来ないから、便利の良い場所へ墓を移したけど、お参りする回数は変わってないわ…」と。

善教寺墓苑(仮名)は、五つのエリア(永代合葬墓エリア・和スタイル墓エリア・洋スタイル墓エリア・プレート墓エリア・ペット専用墓エリア)からなる、テーマパーク墓苑です。完成をお楽しみに。

  
墓苑予定地
  2017年1月号
  今年も残り数日となりました。ようやく、各ご門徒さんの報恩講参りも、一段落した今日この頃です。

 

さて先日(十二月二日)、善教寺報恩講をお勤め致しました。報恩講は、親鸞聖人のご命日にあたり、あらためて阿弥陀如来さまのお慈悲に照らされている我が身に気付き、お伝え下さった親鸞聖人にお礼させて頂く、大切な法要です。本年は武士地区お同行の皆さまが、準備お接待を担って下さいました。改めて、お礼を申し上げます。来年のお接待当番地区は、井ノ邑地区でありますので、どうぞ宜しくお願いします。

写真は、法中五か寺(正福寺・明顕寺・教順寺・西福寺・善教寺)住職による内陣出勤の様子です。色衣のお衣が、より一層華やかに、そして厳かなる読経で、親鸞聖人もお喜びになられたことでしょう。

 

住職レター2016年