ごあいさつ

善教寺 第20代住職
廣幡 勝祐
HIROHATA Masahiro

Chief Priest of Zenkyo-ji Buddhist

 昨年の善教寺寺報4月号の住職レターに、「戦争が終わって、安穏がおとずれますよう、祈り続けます」と書きましたが、ロシアとウクライナの戦争は、益々悲惨な状況に陥っているようです。ニュースを目にする度、心が痛みます。祈りは届きませんでしたが、これからも祈り続けます。
 私が住職を継いだ二十八年前、戦争を体験された方が、まだ多くいらっしゃいました。本堂での法要時、帳場の世話をして下さっていた方が、まさに戦争体験者。その方が、戦争の悲惨だった状況を、時々話して下さいました。そして最後に、「戦争は絶対いけん!」と、目に涙を薄っすら浮かべながら言われます。その一言が、とても印象的でした。その方、戦後は学校の先生をされていました。ある時、私が、「学校の授業で戦争の話をされたのですか?」と聞きますと、全く話していないとのこと。家族にも、あまり話をしたことが無いと言われていました。「友が目の前で死んでいったけんの~」と、「長いこと生かしてもらった、戦死した者に申し訳ない」とも。
 私が住職になった時、周りは祖父母世代ばかりで、戦争体験も含めて、有り難い話を沢山聞かせて貰っていました。
 そういえば、ここ最近、戦争体験の話を全く聞きません。戦争体験者が少なくなったからでしょう。おじいちゃん、おばあちゃんの戦争体験の話し、今になって、また聞きたくなってきました。

合掌

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