今朝8時に武威の町を発ち、13時過ぎに張掖に到着した。ここはさらに小さな町である。
駅に降り立つと、かなりの寒さに震えた。列車は標高の高い所を走っていたのか、途中猛吹雪で窓から景色が見えないくらいであった。
当然、列車内は、今日も冷え込み厳しく、しかもシートは硬座。寝台部分は狭く、汚れている。横になると、背中に痒みを感じた。
ここ張掖の町は、駅から6キロくらいの所に、2キロ四方の街が形成されている。
目星を付けていたホテルにチェックインを済ませ、いつものように、先ず鉄道のチケットを取得しに、ホテル内の旅行会社に行った。今回も硬座しか取れないと言われ、渋々そのチケットを買った。
どうして、硬座のシートしか買えないのかと言うと、中国の鉄道は大きな町以外はオンライン化されておらず、その駅から片道の硬座しか売り出さないのこと。軟座のチケットは誰も買わないから、その駅には割り当てられてないそうだ。こちらの鉄道事情が、ようやく分かってきた。



先を急ぐ訳ではないとは言え、本来の予定では、もう既に敦煌に入っている頃であった。未だ河西回廊の真中である。疲れが溜まってきてはいるが、なんとか気持ちを奮い立たせて、明日にはまた出発する予定である。
疲れた体で、この町から南へ70キロほど行った所にある、馬蹄寺石窟に行ってきた。ここはどうしても行きたかった石窟である。遠くなので、丸一日は必要かと思っていたら、旅行会社の人が、ホテルに夜9時頃、帰着で良ければ、今から手配すると言ってくれた。
馬蹄寺石窟は祁連山の麓に作られた石窟群で、内部をアリの巣のようにくり抜き、元から明代にかけて作成された壁画が残っている。時間が遅かったので、観光者は私一人だった。石窟の中は薄暗く、物取りに襲われないか、気味悪さを感じた。
今日は雪が降っていた。タクシーの運転手が、この時期にしては珍しいと言っていた。万年雪をいただいた祁連山脈と、この石窟のコントラストが映えて、絶景であった。
夜9時前にホテルに帰って来た。かなり疲れている。明日はまた硬座で移動である。フーと、深いため息が出た。




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