【2000年5月1日 午前】もうバスは嫌です〈酒泉~敦煌〉

  酒泉では、ゆっくりと過ごすことが出来た。河西回廊を蘭州から駆け抜けてきたせいか、知らず知らずの内に、疲れがたまっていたようだ。体だけでなく、心もかなり疲れていた。酒泉、酒の泉、この街の酒の泉に癒された訳ではないだろうが、今までの疲れが取れ、お陰で元気になったように感じる。久し振りに、コーヒーが飲めたのも、大満足だった。
 ところが…、である。今日は敦煌に長距離バスで来た。はっきり言って大失敗だった。私が貧乏くじを引いたのか、これが当たり前なのか分からない。乗ったのはマイクロバスであった。これが、長距離バスなのか?と、文句を言いたかった。9時間もそれに揺られたのである。
 なぜ、鉄道ではなく、バスにしたか。敦煌は、シルクロード鉄道の最寄りの駅、柳園から約120キロ離れている。鉄道のチケット取得のことや諸々を考えると、バスでもいいかな?と思ったのである。

酒泉ホテルの部屋
長距離バスのチケット売場

 始発のバスターミナルから乗ったのだが、バス停でもない所で、次から次に、客が乗ってくる。正直、意味分からん、って感じだった。長距離バスであるはずなのに、定員オーバーで立っている人もいた。中国人の長距離バス移動について、ある程度のことは予想していたが、思っていた以上だった。今日の苦行は、自分でもよく耐えたと思う。自分で自分を誉めたいくらいだ。
 マイクロバスのシートはリクライニングなんてしない。もちろん座席幅は狭い。窓も開けっ放しで砂埃は入ってくる。道は舗装してあっても、悪路でガタガタ。車内は、独特の臭いが漂っていた。うるさい、とにかく、うるさくて、至る所で、大声で話をしている。思い出すのも嫌になる。
 私は一番後ろの左側に座っていたので、お手洗いへ行きたいという意思表示が出来なかった。乗って1時間くらいしたら、トイレに行きたくなった。しかし、どうすることも出来ない。ただひたすら我慢した。

長距離バスターミナル待合スペース
マイクロバスの車中

→ 【5月1日 午後】


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