【2000年4月30日】万里の長城の最西端〈酒泉〉

  今朝の朝食には、嬉しいことにコーヒーがあった。私はお酒が全く飲めない。大のコーヒー好きである。久し振りに、コーヒーを味わうことが出来た。コーヒーの味を忘れていたくらいだったが、とても美味しく感じた。
 今日は、タクシーで1時間弱の所にある、嘉峪関に行ってきた。世界最大の建造物である万里の長城(華北省の山海関から6700キロ)の、西端の砦として明代に築かれたとのこと。
 北の合黎山と南の祁連山脈に挟まれた河西回廊は、ここに至って幅約15キロと最も狭まり、古くから漢民族にとって、軍事上の要衝となってきた。東西を貫く河西回廊の喉元であるといわれ、「天下雄関」と呼ばれる巨大な砦が築かれている。
 高さ11メートルの城壁から遥か地平線の彼方に目をやると、遠くから馬に乗った兵士が、今にも駆けつけて来そうな幻想におそわれた。またしても先人の遺した功績の偉大さに、感嘆した。

嘉峪関
嘉峪関にて何かの儀式が行われていた
天下雄関の砦

 その後、山の斜面に築かれた、懸壁長城に行った。どうやらここが明代の長城の最西端とのこと。頂上まで行くのに、徒歩で約30分。傾斜約45度にも達する急斜面を歩き続けた。
 疲れ果てながら登った頂上からの景色は格別であった。言葉で表現できない、まさにそんな感じを味わった。疲労困憊もあり、頂上で1時間くらい過ごした。地平線の彼方を、ただ眺めていた。何を考えていたのか思い出せないくらいであった。心の中が充実感で一杯になり、心が洗われたような思いである。
 夕方ホテルに帰って、少し休み、屋台街に行った。ここ数日、食事は屋台ばかりである。何が書いてあるか分からないメニューを見て注文するより、実際作っているところや他の人が食べているのを指差して、これが欲しいと言った方が、食べたい物にありつける。
 こうやって屋台を数軒回って食事を終える。いつも大体8元(約100円)くらいで満腹になる。今日もお腹一杯食べて、気分よくホテルに帰ってきた。食事が美味しく感じるのは、元気な証拠である。
 明日はこの旅のハイライト、敦煌に長距離バスで行く。

懸壁長城の全景
懸壁長城の道
懸壁長城の全景

→ 【5月1日】もうバスは嫌です〈酒泉~敦煌〉


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