ここ張掖駅では、15分の停車時間があると時刻表に明記されていたので、余裕があると思っていた。軟座専用の車掌に話をすると、「直ぐに6号車に急げ」と言うので、重い荷物を持って走った。
行くと、そこの車掌は、「ここで待て」と云う。言ったきり、その車掌は居なくなった。出発時間は迫ってくる。不安でどうしようもなかった。どうすることも出来ない。このような状況になって初めて気付いたことがある。上手く説明できないが、一人でいる寂しさではなく、自分の置かれた立場に悲しさを覚えた。自分の無力さも感じた。一人では、何も出来ないことを覚った。
出発まで、あと数秒、出発ベルが鳴り響いているさなか、さっきの車掌が、「ここへ乗れ」と言ってくれた。安堵したのか、嬉しくて涙が溢れてきた。
そんなこんなで、無事に16時過ぎ、酒泉駅に到着した。



酒泉も河西回廊の中心に位置したオアシス都市である。周囲2キロほどの城壁に囲まれた街を出ると、そこは石ころを含んだ黄色の大地が広がっている。昨日、行った祁連山脈の雪解け水が、降雨量の少ないこの河西回廊を潤しているとのこと。
街の雰囲気も、何となくオアシス都市らしい感じがしている。漢民族の中に交じって、西域のウイグル族の顔立ちをした方が多くなったような気がする。
夜は屋台街でシシカバブーをはじめ、ウイグル料理を色々食べた。香辛料が強めで辛く感じたが、街の雰囲気に飲まれているのか、美味しく食べることが出来た。
ここ数日、食に関しても、かなり慣れてきた気がする。食べないと、明日に進めない、その気持ちが、食欲増進させるのか。しかし、朝食の中華バイキングだけは、未だに嫌になる。
明日は万里の長城の、西の終点を目指す。



→ 【4月30日】万里の長城の最西端〈酒泉〉

