住職レター 2016年1月

<住職レター 2016年1月>

お寺の鐘(梵鐘)の、ゴ~ンという音、最近、聴かれましたか?
町の方では、音がうるさく、鐘を撞くと苦情がくるのだとか…。
その昔、私の祖母は、「御恩の鐘の音…」と言っておりました。ゴ~ンと御恩を掛けていたのでしょうね。それだけ、有り難いという思いを、私に伝えたかったのだと思います。
一般的には、鐘楼(しょうろう)と言われ、寺の境内にあり梵鐘を吊し、時を告げる施設でした。門徒さんは、親しみを込めて、鐘つき堂と呼ばれます。
時計の普及していない昔は、寺の鐘が時を告げておりました。30年くらい前まで、善教寺でも朝6時と夕方5時に、鐘を撞いていたようですが、今では法座の開式30分前と除夜の鐘撞きだけであります。せっかくの「御恩の鐘の音…」が、おとなしくなり(音なし)…、なんだか寂しいです。
大晦日の午後11時45分より、除夜の鐘を撞きますので、「御恩の鐘の音…」を、一緒に味わいましょう。
ちなみに、撞く回数の由来ですが、人間の煩悩の数が百八であるとか、四苦八苦、つまり四×九(四苦)と八×九(八苦)を足して百八になることから、四苦八苦を取り除くという意味があるようです。