【2000年4月16日】秦の始皇帝は凄い〈西安〉

 今日は西安の東方面の観光に行った。中国国営の旅行会社のツアーに参加し、20名くらいの団体と一緒だった。日本人は私を入れて三人だけ。欧米人が殆どで、観光ガイドも英語。
 観光ガイドが色々説明をされていたが、中国語なのか英語なのか、さっぱり聞き取れなかった。さすがに、各観光地からの出発時間だけは、私の方から聞いて、再度確認したので、乗り遅れることはなかった。
 最初は大雁塔へ行った。ここは玄奘がインドから持ち帰った、大量のサンスクリット語経典や仏像等を保存するため、652年に建立された歴史的建造物。石で造られ、七層、高さ64メートルもあり、まさに西安のシンボルとも言うべき建物である。
 この大雁塔がある慈恩寺は、16年間にわたる苦難の西域大旅行を終えて帰国した玄奘が、その後、半生をかけて日夜経典の翻訳にたずさわった場所である。境内一帯はお香の良い香りが漂っていた。

慈恩寺
慈恩寺本堂
大雁塔

 昼から、兵馬俑で名高い秦俑博物館に行った。以前から兵馬俑は、実際に自分の目で見てみたいと思っていた。ここは1974年に井戸を掘っていた農民によって、たまたま発見されたとのこと。
 俑とは、中国初代皇帝である秦の始皇帝の陵墓を守る陪葬物として作られた、兵士や馬の焼き物人形のことである。ここは広いドームで覆われ、写真では大きさまでは伝わり難いが、兵士像は平均身長178センチと等身大で、顔の表情も一体ずつ微妙に異なった作りとのこと。
 この兵馬俑は、異様な雰囲気であった。今でも、覇気のような不気味なオーラが伝わってくる。6000体もの兵馬俑、ただただ圧倒された。これだけでも、秦の始皇帝、ただ者ではなかったことが伝わってきた。現代人からは想像を絶する権力を有していたのだろう。
 ここが発見されたのは、20数年前(当時)のこと。「世界八大奇跡の一つ」といわれるそうだ。
 最後の観光地は、華清池。ここは2700年前に発見された温泉地である。唐の玄宗皇帝と楊貴妃のロマンスで有名なところ。広い敷地に美しい池と建物が点在していた。
 華清池からホテルまで、約1時間。観光で疲れたのか、直ぐに寝込んでしまい、気付いたら、ホテルに到着していた。

掘削中の兵馬俑
修復を終えた兵馬俑
華清池

【4月17日】追伸日記〈西安〉


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