【2000年4月26日 】素敵な町、蘭州〈蘭州〉

 ここ蘭州は、夕方になると風が吹き砂埃が舞う。そのせいで、街全体、霧がかかったようになる。この状況を除けば、過ごしやすく、また人情味の溢れる良い街であった。
 ホテルのマネージャーとは仲良しになり、色々サポートして貰った。実は今日も助けて貰ったのである。
 疲労困憊とは、このような感じなのか。異国の地ゆえ、精神は常に張りつめ、昨日行った炳霊寺石窟では、中国人になりきった。今日まで、かなりの距離を歩いた。心と身体が悲鳴をあげそうになるのを感じる。それで今日は、夜の出発に備え、身体を休め、ゆっくりと過ごすことにした。
 旅に慣れてきたせいで、持ち物の中の、いる物といらない物が分かってきた。これから先は移動の連続になるので、荷物は少なくしたい。持ち物を整理すると、小包くらいの大きさになったので、日本に郵送しようと思い、郵便局に行った。丁度良いことに、ホテルの横が郵便局であった。
 旅行ガイドブックに書いてある、小包の送り方と、中国語会話集の郵便局で使う中国語のページを読み込み、勢い込んで郵便局に突入。ですが、あえなく退散。(郵便局でのデジカメ画像データは紛失)

砂埃が舞う蘭州の街①
砂埃が舞う蘭州の街

 郵便局で何を言われているのか、全く分からなかった。日本人は外国人相手だと、知っている単語とか身振りで、ゆっくりと分かりやすく話すと思うのだが。こちらが、中国語会話集の『あなたの言っていることが分かりません』のページを示しているのに、先方は全くお構いなしだった。もうお手上げ、どうしようもない。
 ホテルへ帰り、マネージャーに相談した。二つ返事とは、こういうことか。「OK」と言って、俺に任せておけという余裕の笑みを返してきた。直ぐに、郵便局へ一緒に行ってくれた。これこそ正に、三蔵法師が孫悟空を引き連れた心境だろうか。(笑)
 もう怖いものはない。ホテルのマネージャーが通訳をしながら、郵便局の担当者に対して、時には高圧的に、私の要望を通してくれた。
 ガイドブックには、郵便局で中身のチェックがあるから、小包の封はしないで持って行くようにと書いてあった。だから私は、小包は中身が見えるようにしておいた。
郵便局の女性担当者は、「送るのに、なぜ封をしていないのか?」と言っていたようだ。頓珍漢な日本人だと思われたことだろう。
 今日は一日、良い天気だった。この蘭州の街、ホテルのマネージャーにも感謝しながら、いつの日かまた訪れるのを楽しみに、ここ蘭州に別れを告げた。

蘭州での最後の夕食
蘭州駅より出発

→ 【4月27日】この地で憧れの高僧に出会う〈武威〉


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