12月 |
例年ですと、十二月二日の善教寺報恩講法要に向けて、いろいろ準備に奔走している頃です。しかし、もう既にお知らせの通り、今年の善教寺報恩講は法要取り止めとなりました。報恩講法要は勤めませんが、行うべきことは、例年通りにやっております。ここにお寺が存在している限りは、日々の当たり前のことを、普通にちゃんと行う、という感じでしょうか。
コロナ禍で、世の中の事象が一変した、時代が変わった、と世間では言われ、私自身も、お寺を取り巻く環境に変化が・・・と思わなくもありませんが、人間の本質は、お釈迦様の時代、約二千五百年前と大して変わっていない気がします。
それと、不要不急という言葉、コロナ禍でよく聞くようになりました。コロナ禍を通して、私たちの生活は、意外と不要不急な事ばかりだった、という事に気付かせて貰ったような気がします。
では、人間の本質とは、私たちの生活で本当に必要で緊急な事とは、何でしょうか?
この問いに答えを頂けるのが仏教であり、その場所が寺の本堂です。
11月 |
秋も深まってきました。例年ですと、報恩講シーズン真っ盛りで、各門徒宅へ参勤し、そして各地区(講中)でのお寄り講を勤め、そしてその集大成である、寺での報恩講となります。昔は、報恩講は各家のお祭りの如く、親鸞聖人の法事を盛大に勤められていたのでしょう。今では、「報恩講って何?」「勤めんといけんの?」と、聞かれるようになりました。
寺の本堂で勤まる報恩講は、年間を通じて大きな区切りのような法要です。勤まるのが当たり前、当然勤めるもの、それが報恩講であります。しかし、コロナ禍で、全てが変わりました。
護持会役員会を開催し、報恩講を例年通り開催するか?取り止めとするか?、協議の末に言われた意見は、法要は今年だけではない来年も再来年も続く、冬にかけて新規感染者が増える、参拝する方は高齢者が多い、寒い時は換気が十分行えない、等々でありまして、法要の取り止めを決定いたしました。
八月の盂蘭盆会法要、九月の秋季彼岸会は、お斎を出さず午前中のみ法要を勤めてまいりましたので、報恩講も午前中だけでもと念願しておりましたが、残念であります。
親鸞聖人様に申し訳なく思いますが、微笑みたたえて、お許し下さることでしょう。
10月 |
コロナ禍に、梅雨時期の豪雨、夏の猛暑、そして台風の襲来、今年は大変な年であります。
また今年も、報恩講の時期になりました。今から来年の春彼岸頃にかけて、各地のご門徒宅を報恩講参りします。マスク着用のうえ、感染防止に努めて参勤を致しますので、例年通り、待っていて下さいね。
さて、来月の護持会報恩講ですが、今月末の護持会役員会にて、①通常開催とするか? ②食事を提供せず午前中のみの開催とするか? ③法要取り止めとするか?、協議を致します。
コロナ禍の状況では、お斎(法要料理)を提供するのは難しいです。しかし、報恩講の要は、このお斎にあると言っても過言ではありません。午前中の朝席を勤めて、その余韻に浸りながらお斎を頂き、その後、お斎の有り難さに感謝しながら、午後からの昼席を勤める。早く、お斎を参拝者皆さんで、大声出して笑いながら頂ける時がくることを、念願いたしております。
話は変わり、緊急事態宣言の時、ある方から、リモート法事は出来ますか?とメールを頂きました。その時は、まだリモート法事は不対応。しかし今、リモート法事、リモートでの法要開催、これも一つの手段かな~と考えています。リモート法事が可能になりましたら、ご案内させて貰いますね。お楽しみに。
9月 |
お盆が過ぎましても、厳しい猛暑が続きます。加えて、このコロナ禍に、気持ちが滅入ります。
葬儀は、家族葬ならぬ近親者での葬送となり、役僧なしでの葬儀依頼も増え、何軒か火葬場での簡素な読経のみもありました。急激な変化であります。リモート、テレワーク、オンライン、ソーシャルディスタンスとして人と距離を取る、他人様と会わない。このままでは、気付いた時には、取り返しのつかないことになっているような、そのように危惧いたします。
そんな中、不要不急の外出を控えることにより、人生において本当に必要で緊急な事とは何であるか、生きる上で大切な事に気付かせて頂けたような気もします。
さてこの度、長年の懸案事項でありました、本堂欄間の修復が無事に終わりました。
この欄間に書かれた『絵』、当然、仏教逸話があるのでしょうが、その内容は全く分かりません。いつの日か、調べて法話で語ることが出来たらと思っています。
本堂へお参り下さり、修復された欄間をご覧くださいね。
8月 |
コロナの第二波でしょうか、東京都の新規感染者数が三百人を超え、ここ広島でも、二桁になりました。再度の自粛は勘弁して欲しいところですが、もう一度、感染拡大防止の気持ちを高めていかなくてはならないのでしょう。
八月八日の盂蘭盆会納骨法要は、従来通りの法要を勤める予定でしたが、そのような状況ではなさそうです。でも、なんとか法要開催できないか、考え中であります。
さて、今月号から、元号寺シリーズとなりました。令和になった時に、この話題をすればタイムリーだったのですが、これから数カ月に渡って、元号寺についてお伝えしていきますね。
この元号制度ですが、「大化」より「平成」まで、千三百余年の歴史の中で、二百四十七の元号が移り変わってきました。
様々な社会状況の中で、国家の安寧を願って定められる元号ですが、長い歴史においてこの元号を寺号としている寺院があります。元号寺と呼ばれる寺院がそれですが、天皇の発願によって建てられた勅願寺が原則とされています。しかし実際の理由は様々とのこと。元号寺シリーズ、お楽しみに。
7月 |
コロナ禍、ようやく出口が見えてきましたが、世界が変化しての再スタート、という感じがしています。この二~三ヶ月で、時代がいっきに加速したように思います。テレワーク、リモート、オンラインミーティング…。私は、時代に取り残された感を抱いております。
他人と接触しない、ソーシャルディスタンスで人と距離を保つ…、人肌のぬくもりを感じる心まで、失われてはと思いますが…。
さて、六月の法要、安居会(夏の法要)ですが、残念ながら大事をとり、開催を取り止めと致しました。緊急事態宣言が解除されたとは言え、第二波を懸念します。寂しい事ですが、今は、もうしばらく辛抱の時なのでしょう。
そんな中、現在、本堂の内陣と外陣の間にある、七枚の欄間を修復中であります。修復期間は約半年。今は写真のように、本堂上部の欄間が取り外され、風通しが良くなっております。もう一枚の写真は、修復途中の工房内で撮影された貴重なショットです。
お盆前には、修復された欄間をご披露いたしますので、お楽しみに。
6月 |
広島県で緊急事態宣言が解除されました。しかし今後も、マスク着用、ソーシャルディスタンスを守る生活には変化がない様子。新型コロナウィルス感染症のワクチンや治療薬が開発されないと、この不便な生活は変わらないのでしょう。コロナと上手く付き合い、この不便な生活は、これから数年、辛抱する必要があるのかもしれません。そのうち、この生活様式が、当たり前になるのでしょうか…。
またちょっとでも気が緩むと、今年の冬くらいに第二波が襲い、二度目の緊急事態宣言が出てしまいそうです。再度、ステイホームだ、自粛だと言われると、正直、心が折れそうな感じ…。
このコロナ禍の影響で、遠方からの往来を避けるため、最近の法事は、家族だけに縮小して勤まる感じになりました。葬式は、ここ数年、家族葬に移行しておりましたが、最近では近親者葬であります。二名から五名くらいの少人数での葬儀も増えました。ご縁のあった多くの方々に見送って頂きたかったのに、寂しい限りです。
本堂での法要は、四月の永代経法要は取り止め。五月末の初参式も中止としました。六月の安居会法要も恐らく取り止めになるでしょうか。七月末の夏の子ども会も、この様子だと難しいかもしれません。お盆の法要から、なんとか縮小してでもお勤めできないか、考えているところです。
寂しい話題ばかりで申し訳ありません。
ステイホームで、大切な人とも会えなくなり、人と会える事は当たり前ではなく、実はとても有り難い事だったんだな~と、コロナ禍を通して気付かせて貰いました。
皆さまとお会いしたいです。お会い出来る日を、心から楽しみにしておりますね。
5月 |
今年の桜は、例年よりも長く咲いていたように感じました。気候のせいでしょうか、コロナ騒動を心配した桜が頑張っていたのでしょうか。
これから始まるゴールデンウイークは、いつもなら絶好の行楽シーズンですが、今年はステイホームとなるでしょう。
仕事も出来る限りのテレワークがなされているようです。地元の佐伯葬祭では、葬儀のライブ配信サービスをされているとのこと。善教寺では、全く対応が出来ておりません。どんなことが出来るか対策を考え中であります。
今、私が思うことは、アフターコロナ時、善教寺へ参拝して、「やはりお寺は良いな~」と感じてもらえるようにすること。そのために、今できることをする。例えば、法要参拝者が無い時に本堂内を修理する。境内地を整備する。そして、私自身をアップデート(進化)させること。
現在、本堂北側の山を整備中。『瞑想の杜(仮称)』として、心が整えられる、気持ちが良くなる杜になればと思っています。
アフターコロナ時、進化した善教寺をお楽しみに。
4月 |
新型コロナウイルス感染拡大に負けじと、桜の便りが聞こえ出してきました。世の中が混沌としても、大自然の営みは全く変わらず、こうして悠久の時が流れていきます。今は人類にとって、辛抱する時なのでしょう。
仏教婦人会の報恩講並びに総会は、三月六日~七日の昼にかけて開催規模を縮小して法要を勤めました。万全の感染拡大防止とはいきませんでしたが、本堂出入り口にアルコール消毒液は準備しました。参拝者の皆さんがいつも喜んで下さる、お斎(法要料理)は取り止め、二日目の昼席は中止、法要マイクロバスはお迎え時のみ運行。
来月(四月)は、永代経法要を勤めますが、日々状況が変わっているだけに、どのように法要を開催するか、決めかねております。
楽しみにしておりましたプロ野球が延期。そしてオリンピックも延期になりそうな状況です。いつになったら、通常の生活に戻れるでしょうか。
コロナウイルスの収束が全く見通せず、今は出口の見えないトンネルを右往左往しながら歩んでいる感じがしております。しかし、必ず出口はあります。明けない夜はない。一歩一歩前へ、いや三歩進んで二歩下がりながらでも、前へ歩んでいきましょう。
3月 |
昨年の秋頃より、境内地の整備に取り掛かっております。第一弾として、墓苑参道の整備。続いて第二弾は境内洗面所付近、今は第三弾に入り、納骨堂周辺を整備しております。これで終わり…ではなく、まだまだ続きます。境内地の整備が終わりましたら、次は本堂北側の山の整備です。この山を、『瞑想の森』のようにしたい、お釈迦さまが悟りを開かれた菩提樹の森のようになればと思うのですが、果たして私が生きている間に完成するでしょうか…。住職を継職して二十五年、振り返ると、どこかを整備したり工事したり修理したり、そんな事ばかりしている感があります。伽藍の維持整備管理が、その代の住職の重要な務めだと、改めて実感しております。
さて、三月に入りますと、仏教婦人会の報恩講並びに総会が開催されます。新型コロナウイルスで世の中は騒がしいですが、適切な予防措置を取り、予定通り法要を勤めたいと思っております。
皆さまのご参拝、お待ちしておりますね。
2月 |
気付けば、もう今年がスタートして、一か月がきます。相変わらず、年始から慌ただしく過ごし、御正忌法要を勤め終え、今後は護持会役員会、仏教婦人会役員会と続き、その後はそれぞれ総会を開催します。有り難いことに、今年は寒さの厳しくない冬ですから、何かと億劫にならず物事をやれている感じがしています。
しかしこの異常な暖冬、雪も降らず、このままで良いのでしょうか?
田んぼには雪が降り積もらないと、害虫が死なず、春先には農薬が多く必要になると聞きました。雪が降らないので、田植えの時期には、水不足も心配だそうです。
生きておりますと、何かと心配事は尽きませんね。
さて最後に一つ、報告です。昨年末の墓苑参道の整備に続いて、この度、自転車&バイク置き場を整備しました。屋根付きですから、少々の雨でも心配ないですよ。自転車&バイクでのご参拝、お待ちしておりますね。
1月 |
年末を迎えまして、この寺報を作成しながら、心静かに今年を振り返っております。私が考える今年の漢字は『健』。改めて健康の有り難さを実感した一年でありました。
年齢と共に、メタボリックでお腹は出て、肩こりと腰痛の日々。それに伴い身体のキレは衰え。加えて、今年の三月には、肩の激痛。整形外科で診てもらいますと、肩甲骨裏の第三肋骨の骨折と診断。原因は不明。病院の先生曰、「年齢のせいじゃろうね~」とのこと。寝返りをうったり咳をしても痛む毎日でしたが、日にちが薬のごとく、いつの間にか痛みは消えました。
一念発起し、暴飲暴食は控え、ウォーキング・ヨガ・ストレッチを日課に。お陰さまで、肩こり腰痛は癒え、体重も軽くなり、健康な毎日を送れるようになりはじめた、令和元年でした。
話しは変わり、一つ報告ですが、現在、境内地の整備をしております。本堂から墓苑への参道の整備。「墓苑へお参りされたら、本堂の御本尊さまにも参拝しましょう…」と、申し上げてきましたが、これでお参りし易くなるかな…。
令和二年も健康な日々が送れますよう、益々精進して参りますね。