先日から鉄道のチケット手配に奔走したが、旅行会社は相手にもしてくれなかった。敦煌莫高窟の鉄道の最寄り駅は柳園にあり、敦煌から柳園駅まで、約120キロ離れているので、誰も鉄道のチケットは買わないらしい。
ホテルのスタッフや旅行会社の人々は、「ハミへはバスで行け!」と言っていた。バスでの移動だけは、もう絶対に嫌だったので、意を決して柳園までタクシーで行くことにした。柳園駅へ行き、直接チケットを取得することにした。
砂漠の一本道をタクシーで、約120キロの旅をするなんて贅沢だ!なんて思わないように。料金は百元(約1,100円)で契約。
舗装されてはいても、かなりの悪路を、タクシー運転手は飛ばしまくって行った。対向車が来てようとお構いなし。このタイミングで追い越すか?と怖くなるくらい、バスやトラックをどんどん追い越して行った。あまりのスピードで、車が壊れやしないかと、冷や冷やした。運転手は、段々あくびをする回数が増えてくるわ、もう生きた心地がしなかった。
こんなところで事故に遭えば、間違いなく死んでいただろう。運よく心臓が動いていても、救急車が来るまで半日はかかると思ったら、冷静でいられなかった。敦煌から柳園まで、約1時間半で到着。生き延びたと安堵するも、実はここからがもっと大変であった。
01-02-s.jpg)

柳園駅のチケット売り場が凄い人、群衆が殺到して、みんな殺気だっている感じだった。日本みたいに整然と並んで順序よくという感じではなく、我先にとすさまじい勢いで殺到していた。私なんて筆談でチケット取得なので、明らかに不利な状況である。「負けるてなるものか!」と、必死になって押し合いの中に入って行き、行き先を書いた紙と料金30元を握りしめ、一生懸命カウンターの方へ、押し進んでいった。
すると隣にいた男性がニコッと笑って、「その握っているものをオレに渡せ!」と、目配せしてくれた。そしてその男性が、群衆の中を強引に分け進み、私の分までチケットを買って来てくれた。鉄道チケットを取得するだけで、精根尽き果てるなんて思っても無かった。
チケットを手にした瞬間、涙が溢れてきた。嬉しさなのか、疲れ果てたのか、人の優しさに触れたのか、自分の無力さを実感したのか、理由の分からない涙であった。
その男性に「謝謝!(シェシェ!・ありがとうの意)」と言って、握手をして別れた。
しかしこれでやっと硬座(自由席)のチケットが手に入ったにすぎない。今回も、車掌に軟座(指定席)のチケットに交換してくれるよう、直接交渉に臨む。
-s.jpg)

→ 【5月3日 午後】今日の旅も辛かった〈敦煌~柳園~ハミ〉

